■シダトレン (スギ花粉舌下液)について
シダトレンは、スギ花粉症を対象とした減感作療法(アレルゲン免疫療法)薬です。
シダトレンは、国内で初めて承認された舌下に投与する減感作療法薬であり、自宅での服薬が可能です。従来から施行されてきた皮下注射による減感作療法と比べ、注射による痛みもなく治療ができることなどが特徴です。 (平成26年10月以降から健康保健が適用されました)
* スギ花粉症とは?
スギ花粉症は、スギ花粉によって生じるアレルギー疾患の総称で、主にアレルギー性鼻炎とアレルギー性結膜炎を生じます。
・ スギ花粉が患者の鼻に入ると・・・
くしゃみ、鼻汁が生じ、少し遅れてから鼻づまりが生じます。
・ スギ花粉が患者の目に入ると・・・
目がかゆくなり、涙が流れ、目が充血してきます。
・ 症状が強いと・・・
鼻で吸収されなかったスギの抗原成分が鼻から喉へ流れ、喉のかゆみ、咳を生じます。また
鼻づまりによる頭痛、鼻や喉の炎症反応による微熱、だるさなどの症状が生じます。
*減感作療法(アレルゲン免疫療法)とは?
減感作療法は、アレルギーの原因となるアレルゲンを少量から投与することで体をアレルゲンに慣らし、アレルギー症状を和らげる治療法で、「花粉症を治す」または「長期にわたって花粉症の症状をおさえる」ことが期待できます。
シダトレンは、スギ花粉を原料としたエキスで、原因ではないアレルゲンを投与すると、そのアレルゲンに感作される可能性があります。そのため、原因となるアレルゲンを確定する確定診断が重要となります。
また、アレルギー症状の有無にかかわらず、毎日、数年間にわたり継続して服用する必要があります。
* シダトレンの治療はいつから始めるの?
症状が出始める約2ヶ月から3ヶ月前から治療を始めると効果的です。
具体的には、11月から12月にかけて治療を始めれば、春先のスギ花粉の飛散時期には、少しでも効果が感じられるでしょう。シダトレンは、スギ花粉のエキスで製薬されているので、スギ花粉の飛散時期に治療を始めた場合、薬と飛散しているスギ花粉、両方を体内に取り込むことになり、その量が多ければ、強いアレルギー反応を発症する危険性があります。
* シダトレンの副作用について
シダトレン服用後、下記のような副作用が現れることがあります。
特に、・服用後30分間、・服用開始初期(およそ1ヶ月)、・スギ花粉が飛散している時期、は注意してください。
主な副作用:
・口内炎/舌の下の腫れ/口の中の腫れ
・喉のかゆみ
・耳のかゆみ
・頭痛 など
重大な副作用:
・ショック/アナフィラキシー
シダトレン服用後少なくとも30分間は注意し、下記のような症状(アナフィラキシーの前兆)が現れた場合は、直ちに医療機関を受診してください。
【皮膚の症状】 ・・・ 蕁麻疹、そう痒感、紅班、皮膚の発赤などが全身に現れる
【消化器の症状】 ・・・ 胃痛、吐き気、嘔吐、下痢など
【目の症状】 ・・・ 視覚異常、視野の狭窄など
【呼吸器の症状】 ・・・ 鼻がつまる、くしゃみ、声がかれる、喉のそう痒感、胸のしめつけ感、呼吸困難、咳、呼吸の音がゼーゼー・ヒューヒューする、チアノーゼなど
【循環器の症状】 ・・・ 頻脈、不整脈、血圧低下など
【神経の症状】 ・・・ 不安、恐怖感、意識の混濁など
■シダトレンの服用方法
- 1日1回、長期間継続して服用します。
- 舌の下に薬液を入れたまま2分間保持した後に飲み込みます。
- 2週間(増量期)は徐々に増量し、その後(維持期)は決まった量を服用します。
- 副作用に対する注意が必要です。異常が認められた場合は、直ちに医療機関を受診してください。
- 冷蔵庫で保管します。
- 他の人に使用させてはいけません。
- 自己判断で服用を中止・再開しないでください。
* シダトレンの種類
少量から増量するため、3種類のおくすりがあります。
右: シダトレン 200JAU/mL (1-7日/増量期)
中: シダトレン 2,000JAU/mL (8-14日/増量期)
左: シダトレン 2,000JAU/mL (15日以降/維持期)
* シダトレンの服用量・服用スケジュール
1日1回少量から服用をはじめ、2週間は徐々に増量し(増量期)、その後は決まった量を数年に渡り継続して服用(維持期)します。
維持機は定期的に受診をし、3年以上継続することが推奨されます。
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