佐藤寿一クリニック( JR町田駅直結)。内科,ピロリ菌除菌,糖尿病,合併症,生活習慣病,小児科,内視鏡,胃カメラ,大腸ファイバー,健康検診,企業検診,ガン,大腸がん,胃がん,乳がん,検診,百日咳,喘息,花粉症,血管年齢,呼吸器,胃腸科,循環器,肺がん,甲状腺,メタボリックシンドローム,町田,町田市,町田駅前,相模原市,大和市,稲城市,八王子市

町田市/町田駅前佐藤寿一クリニック

ピロリ菌(ヘリコバクター・ピロリ)・ピロリ菌除菌 Q&A


Q1: ピロリ菌って何ですか?

A;
ピロリ菌は、胃の粘膜に生息しているらせんの形をした細菌です。
一方の端に鞭毛(べんもう)と呼ばれる毛が4〜8本付いていて、活発に運動することができます。
胃には、強い酸(胃酸)があるため、通常、菌は生息できないと考えられていました。しかし、ピロリ菌は「ウレアーゼ」という酵素を産生させ、この酵素は尿素を分解しアンモニアを生成します。アンモニアは胃酸を中和するため、ピロリ菌の周辺をアルカリ性の環境にすることで身を守っているのです。
ピロリ菌に感染すると胃に炎症を起こすことが確認されていますが、ほとんどの人は症状を自覚しません。
ちなみに、ヘリコバクターの「ヘリコ」は、らせん形(ヘリコイド helicoido)から命名されていて、ヘリコプターの「ヘリコ」と同じ意味です。

Q2: ピロリ菌の感染経路は?

A;
ピロリ菌の感染経路ははっきりとわかっていませんが、口を介した感染(経口感染)がほとんどだと考えられています。ピロリ菌の感染率は、衛生環境と関係していると考えられています。1992年の調査によると、上下水道が十分完備されていなかった時代に生まれた団塊の世代以前の人では約80%前後と高く、若い世代になるほど低くなっています。また、ピロリ菌に一度感染すると、通常は被感染者の生涯にわたって感染が持続されると言われてます。
ピロリ菌感染を予防する方法はよくわかっていませんが、胃酸の分泌が少なく免疫力の弱い幼児〜小児期に成立しやすいと考えられているので、今後は減少していくと予想されています。

Q3: ヘリコバクター・ピロリ感染胃炎はどの様な病気ですか?

A;
ピロリ菌が胃の粘膜に感染すると、好中球やリンパ球を中心とする炎症細胞が誘導され、慢性活動性胃炎が生じます。これが、ヘリコバクター・ピロリ感染胃炎です。
ヘリコバクター・ピロリ感染胃炎(慢性胃炎)が持続すると、胃粘膜の腺組織の消失が進み、萎縮性胃炎等が生じ、一部は胃がんに進展することがあります。

Q4: ピロリ菌の関係する病気とは?

A;
ピロリ菌が産出するウレアーゼによって生成されたアンモニアは、直接的に胃粘膜を傷害します。胃は、生体防御反応として胃粘膜上皮細胞からIL-8を放出します。それにより白血球の遊走や浸潤といった炎症反応が引き起こされます。
下記の病気は、ピロリ菌が関係していることがわかっています。

  • 胃潰瘍・十二指腸潰瘍 胃や十二指腸の粘膜の壁が傷ついて掘られた状態。
    胃潰瘍・十二指腸潰瘍の患者さんの90〜100%がピロリ菌に感染しており、潰瘍の発生、再発、治りにくさ にピロリ菌が関係していることがわかっています。
    ピロリ菌除菌によって大部分の潰瘍の再発を抑えることができます。 ※1)

    胃潰瘍/十二指腸潰瘍の患者で1年間に再発する人の割合 これまで胃潰瘍や十二指腸潰瘍は再発しやすく、再発するたびに治療が必要な厄介な病気と考えられていましたが、ピロリ菌除菌療法を行うことで大部分の潰瘍が抑制されることがわかってきました。
    (右図: Asaka M. et al.: J. Gastroenerol. 38, 339, 2003 より改変)

    ※1)
    ピロリ菌以外の原因として、非ステロイド性消炎鎮痛剤(NSAID)があり、少量のアスピリンの服用でも潰瘍ができることがあります。お酒やタバコ、過度のストレスなども原因となることがあるので、除菌しても潰瘍になることがあります。
  • 胃MALTリンパ腫 胃の粘膜に有るリンパ組織に発生し、ゆっくりと発育する腫瘍。
    ピロリ菌除菌によって60〜80%治ります。
  • 突発性血小板減少性紫斑病 血小板が減少し、出血しやすくなる病気。原則として、18歳以上の患者さんがピロリ菌除菌療法の対象となります。
    ピロリ菌除菌によって50%以上が改善します。
  • 早期胃がんに対する内視鏡的治療後胃 早期胃がんを内視鏡で治療した後、他の部位にがんが再発することが少なくありません。
    ピロリ菌除菌によってがんの再発を約3分の1に抑えることができます。

Q5: ピロリ菌と胃がんは関係ありますか?

A;
胃がんとピロリ菌は関係している可能性があります。
胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胃のポリープなどの患者さんを対象とした調査で、ピロリ菌陽性例と陰性例の胃がん発症率を比較した結果、10年後に胃がんを発症したのはピロリ菌陽性例では2.9%(36/1,246例)だったのに対し、陰性例には発症例(0/280例)はありませんでした。(下図左参照)
また、Japan Gast Study Groupがピロリ菌陽性で、早期胃がんに対する内視鏡的治療を行った患者さんを対象にピロリ菌除菌療法を施行する群と施行しない群に無作為に振分け比較試験を実施した結果は、除菌治療後3年間の胃がん発生率が3.5%(9/255例)だったのに対し、除菌非施行群では9.6%(24/250例)(下図右参照)で、ピロリ菌除菌療法により胃がん発生のリスクは約1/3に抑制されています。

胃、十二指腸潰瘍、胃のポリープなどの患者さんを対象とした調査
10年間で胃がんが発生した人の割合
Uemura N.: N. Engl. J. Med. 345, 784, 2001より作図
早期胃がんの治療後にピロリ菌除菌した患者さんと除菌しなかった患者さんの3年以内の新しい胃がんの発生率
早期胃がん治療後、新しい胃がんが発生した人の割合
Fukase K.: Lancet 372, 392, 2008より作図

Q6: ピロリ菌に感染している人は、みなピロリ菌除菌した方がいいのですか?

A;
日本人のピロリ菌感染者の数は6,000万人といわれています。
すべてのピロリ菌感染者は除菌を受けなければいけないわけではありません。しかし、ピロリ菌除菌に関するガイドラインでは、ピロリ菌に関連する疾患(上記Q4参照)の治療のため、ピロリ菌感染者のすべてがピロリ菌除菌療法を受けることが強く勧められています。
( ※ 現在、保険適用でピロリ菌の検査・除菌治療を行うことができる対象の患者さんは決められ
ています。詳しくは、担当医にご相談ください)

 ▲ TOPへ戻る