一定の要件を満たせば、禁煙治療に健康保険等が適用され、医療費の自己負担も軽くなります。
禁煙外来では、ニコチン依存症の有無を調べて、ニコチンを含まない薬を服用するとともに、タバコが吸いたくなったときの対処法など、1人ひとりの状況に合わせたアドバイスを受けることができます。
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喫煙は、「予防できる単一で最大の疾患・早死の原因」
喫煙は、病気の原因の中でも、「予防できる最大で単一の原因」(WHO)と言われており、肺がんをはじめとする多くのがん、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、心筋梗塞や脳卒中などの循環器疾患、糖尿病、アルツハイマー型認知症など多くの疾患の発症と関連します。
★喫煙と脳卒中の関係
・ 脳卒中の危険因子で用量に依存して増加
・ 中年層で最大の相関危険度を示し、高齢者では低下
・ 女性、特に経口避妊薬使用者、片頭痛など危険因子がある場合は毒性が
高くなる
・ 禁煙で脳卒中の危険度は低下する
(10年禁煙すると非喫煙者と同じレベルの脳卒中発症率に低下)
・ 受動喫煙(他人のタバコの煙にさらされること)も脳卒中の危険因子
国内の調査では、20歳よりも前に喫煙を始めると、
男性は8年、女性は10年も短命になることがわかっています。
喫煙は一時の至福と引き換えに、自分の寿命を削っているのです。
さらに、イギリスの調査では次のことが明らかにされています。
禁煙すると健康は回復する
30歳で禁煙すれば平均で寿命は10年延長(非喫煙者と同じになる)
40歳で禁煙すれば約9年、50歳では約6年、60歳では約3年、
寿命は延長する
いくつになっても、禁煙するのに遅すぎるということはありません。先送りせず、禁煙する気になった時がやめ時です。
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法によるバックアップで進む禁煙化の流れ
近年のオリンヒ゜ック・パラリンピックか゛開催された都市て゛は、受動喫煙防止対策が徹底されてきました。競技会場た゛けて゛なく、飲食店なと゛の屋内施設も全面禁煙にする、罰則付き受動喫煙防止法か゛施行されているのか゛慣例て゛、スモークフリー(タバコの煙から解放された環境)への取り組みは世界の潮流となっています。
ホストシティである東京都では、その流れが加速しており、東京都議会で2017年10月5日、「東京都子どもを受動喫煙から守る条例」が賛成多数で可決、成立しました。さらに、今回の条例とは別に、飲食店などの屋内を原則禁煙として、罰則を設ける条例を制定する方針で、2019年に日本で開催されるラグビーワールドカップまでの施行を目指すようです。
日本の受動喫煙対策は、2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向け、この取り組みがより一層進められています。
禁煙外来を保険適応で受けられるのは、下記要項に当てはまる場合となります。
・ニコチン依存症の判定テストが5点以上
・1日の平均喫煙本数×喫煙年数=200 以上
(2016年4月より35歳未満には上記要件がなくなりました)
・ただちに禁煙を始めたいと思っている
・禁煙治療を受けることを文書で同意している
※禁煙外来を初めて受診された際に、治療の説明とあわせて、保険診療を受けられるかを確認させていただきます。
★【 禁煙治療のスケジュール 】
禁煙治療は12週間が基本です
★【 禁煙外来での処方薬 】
禁煙のための補
助薬を使うことで、ニコチン切れの離脱症状があらわれにくくなり、禁煙を続けやすくなります。
佐藤寿一クリニックでは、バレニクリン製剤として「チャンピックス(錠剤)」の処方を行っています。
チャンピックスの2つの効果
チャンピックスは禁煙のための飲み薬です。
タバコを吸うと、脳にあるニコチン受容体にニコチンが結合し、快感を生じさせる物質(ドパミン)を放出させます。
●ニコチン切れ症状を軽くする
チャンピックスは、受容体に結合することで、ニコチンの場合より少量のドパミンを放出させ、イライラなどのニコチン切れ症状を軽くします。
●ニコチンが受容体に結合するのを邪魔し、禁煙中に一服してしまったときの“おいしい”といった満足感を感じにくくすることにより、禁煙を助けます。
チャンピックスの服用のしかた
飲み始めの1週間は喫煙しながらチャンピックスを飲み、薬の量は徐々に増やします。
※食後にコップ1杯程度の水またはぬるま湯で服用してください。
ポイント@:「もうタハ゛コはやめられた」と思っても、自己判断て゛治療を中断せす゛、最後まて゛診察を受けましょう。
ポイントA:タハ゛コを吸ってしまっても、気にせず受診しましょう。
ポイントB :健康保険等を使った禁煙治療は、1年間て゛1回のチャンスて゛す。今回のチャンスを活かしましょう。
※厚生労働省保険局医療課長、歯科医療管理官連名通知 保医発0305第1号(平成24年3月5日)
チャンピックスを服用するにあたっての注意
以下の項目に当てはまる方は、医師にご相談ください。
・以前に薬を飲んで、かゆみや発疹などのアレルギー症状が出たことがある
・精神疾患がある
・腎臓の病気がある
・他に服用中の薬がある
・妊娠中または授乳中である
・未成年者である
以下の事項にご注意ください。気になる症状があらわれた場合は、お早めにご相談ください。
・ニコチンを含んだ禁煙補助薬(ニコチン製剤)との併用はしないでください。
・腎臓の病気がある場合は、医師にお申し出ください。
・禁煙は治療の有無にかかわらず様々な症状(気分が落ち込む、あせりを感じる、不安を感じる、死んでしまいたいと感じる等)を伴うことが報告されています。また、もともとこのような症状がある場合は、その症状が強く出ることがあります。本剤を服用中にこのような症状があらわれたら、服用を中止し、医師にご相談ください。
・チャンピックスを服用後に、めまい、眠気、意識障害等の症状があらわれ、自動車事故に至った報告があります。事故をふせぐため、自動車の運転など危険を伴う機械の操作はしないでください。
・チャンピックスを服用中に、吐き気・頭痛・上腹部痛・便秘・お腹のはり・普段と違う夢をみる・不眠などの副作用があらわれることがあります。吐き気などを起こしにくくするために、必ず食後に服用してください。
治療内容によって金額が異なる場合があります。
詳しくは当院スタッフへお尋ねください。 TEL:042-710-2251
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