■インフルエンザ Q&A
Q1) インフルエンザワクチンの有効率は?
Q2) メーカーによる差はありますか?
Q3) インフルエンザウイルス株は毎年変わりますか?
Q4) ワクチンはA型にもB型にも効きますか?
Q5) どのような人に接種が勧められていますか?
Q6) ワクチンの効果はどのくらい持続しますか?
Q7) 他ワクチンと同時接種できますか?
★接種開始日・料金等は こちらを参照ください。
Q1) インフルエンザワクチンの有効率は?
インフルエンザにかかるとはどういうことなのか、そのプロセスにそって、ワクチンの効果を説明します。
- 【発端】
インフルエンザウイルスが体の中に入ってくることです。
− これをワクチンで防ぐことはできません。
− 手洗いやうがいなどが重要になります。
- 【感染】
体内へ入ったウイルスは細胞に侵入して増殖する状態をいいます。
− ワクチンが、感染を抑える働きは保証されていません。
- 【発症】
ウイルスが増殖すると、数日の潜伏期間を経て、発熱やのどの痛みなどのインフルエンザの症状が引き起こされます。
( 感染しても、必ず発症するというわけではありません。症状なしに済んでしまう人もいます。 )
− ワクチンが発症を抑える効果については、一定程度認められています。
- 【重症化】
発症後、多くの方は1週間程度で回復しますが、肺炎や脳症などの重い合併症が現れ、入院治療が必要となる場合や亡くなる事もあります。
基礎疾患のある方・妊婦の方などは、健康な成人よりも重症化する可能性が高いと考えられています。
− 季節性インフルエンザワクチンの接種は、重症化を防ぐのを目標としています。
インフルエンザワクチンは、打てば絶対にかからない、というものではありませんが、病気の重症化を防いでくれます。
・成人のワクチン有効率:60%
ワクチン接種なし:30/100人(インフルエンザ発病率:30%)
ワクチン接種 :24/200人(インフルエンザ発病率:12%)
→ ワクチン有効率=(30−12)÷30×100=60% (厚労症HPより)
60%という数字は、発熱・咳などの「発病を抑制する」効果です。
ワクチンには「発病抑制」以外にも、発症後の肺炎や脳症等の「重い合併症を予防する」効果があります。
・乳幼児のワクチン有効率:20%〜60%
厚生労働省の調査によると、発熱(発病)を指標とした場合、6歳未満の子どもに対するインフルエンザワクチンの効果は20%から60%の有効率とされています。
せっかくワクチンを接種しても運悪くインフルエンザに罹ってしまう方もありますが、重い合併症はインフルエンザにかかったお子さんの中から発症するわけですから、ワクチンを接種して、インフルエンザにかかるお子さんを減らすことはとても意義のあることです。
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Q2) メーカーによる差はありますか?
ワクチン株はすべてのメーカーで共通です。
インフルエンザワクチンは、どのメーカーの製品に於いても同じ株が使用されており、A型2種類、B型2種類(合計4種類)が含まれます。但し、ワクチンに含まれる添加物等がメーカーにより異なる場合があります。
メーカーの差による最も大きな違いは「接種できる年齢」です。
2017/2018シーズンからは「北里第一三共」のインフルエンザワクチンは、生後6ヶ月〜1歳未満児には接種できません。
Q3) インフルエンザウィルス株は毎年変わりますか?
ワクチン株を毎年選択する必要があるのは、HAは頻繁に抗原異変を起こすためです。そのため毎年見直しがされており、国立感染症研究所で候補が決められ、国が決定します。国立感染症研究所では、総合的に評価して次シーズンのワクチン株を決めています。
本年の製造株はこちらになります。
インフルエンザの流行を起こすのは、インフルエンザウイルス株のA型とB型の2種類です。
A型は、ウイルス表面上に有る2種類の糖タンパク質、ヘマグルチニン(HA)とノイラミニダーゼ(NA)の抗原性により多くの亜型に分類されます。HAはH1からH16の16種類、NAはN1からN9までの9種類の亜型に分かれました。
なお、2013年度よりインフルエンザHAワクチン製造株にリアソータントを表す番号が追加されました。インフルエンザウイルスのRNAは、ひとつのウイルス粒子内に棒状構造物が最大8つ存在し、ウイルス粒子の多くは、中心に1つ、その周囲に7つという特徴的な配置をとった8つの構造物を含んでいます。ウイルスは、細胞の中でリアソータントと呼ばれる遺伝子再集合を起こしやすく、2つの異なるウイルスを有精卵で増殖させると、この8つの遺伝子が入れ替った再集合体(リアソータント)ウイルス株ができます。その中からワクチン製造に最適のワクチン候補株を選択しています。
Q4) ワクチンはA型にもB型にも効きますか?
ワクチンにはA型2種類、B型2種類が入っており、A型にもB型にも対応できます。
【製造株決定にあたっての基本的考え方】
製造株の選定にあたっては、原則として世界保健機関(WHO)が推奨する株の中から、
・期待される有効性
・ワクチンの供給可能量
を踏まえた上で、双方を考慮した有益性(4種類の製造株に係る有益性の総和)が最大となるよう検討を行う。
【4価ワクチの有効性】
2015年度より、3価ワクチン⇒4価ワクチンになりました。
国ACIPのデータから有効性をみると、ワクチンの供給量、接種率、ワクチンの有効性、2系統のB型ウイルスに関連した罹患状況によって違いはあるものの、4価ワクチンにすることで、インフルエンザ患者数、入院患者、死亡数が減少することが推計されています。4価ワクチンにすることによって、インフルエンザに関連する結果指標が減少することが示されています。
Q5) どのような人に接種が勧められていますか?
・定期接種対象者:65歳以上の方、60〜64歳で、心臓、腎臓、呼吸器の機能に障害があり身の回りの生活を極度に制限される方、60〜64歳で、ヒト免疫不全ウイルスによる免疫の機能に障害があり、日常生活がほとんど不可能な方
・医療従事者、エッセンシャルワーカー:急性期後や長期療養施設のスタッフを含む医療従事者、薬局スタッフ、その他重要インフラの業務従事者の方
・インフルエンザの合併症のリスクが高い方:生後6ヵ月以上5歳未満の乳幼児、神経疾患のある子ども、妊娠中の方、その他特定の基礎疾患を持つ方
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Q6) ワクチンの効果はどのくらい持続しますか?
ワクチンの予防効果が期待できるのは、これまでの研究から季節性インフルエンザワクチンでは、接種した(小児の場合は2回接種した)2週後から5カ月程度と考えられいます。
Q7) 他のワクチンと同時接種できますか?
殆どのワクチンと同時接種できます。
ヒブワクチン、小児用肺炎球菌ワクチン、B型肝炎ワクチン、四種混合ワクチン、BCG、麻しん・風しん混合ワクチン、おたふくかぜワクチン、水ぼうそうワクチン、日本脳炎ワクチン、二種混合ワクチンなど。
新型コロナワクチンとインフルエンザワクチンは、「同時接種」(同じ日に続けて接種すること)も可能です。また、接種の順序も問いません。同時接種や近い間隔で接種をご希望の方は、かかりつけ医にご相談ください。
なお、新型コロナワクチンとその他(インフルエンザワクチン以外)との接種間隔につきましては、互いに、片方のワクチンを受けてから13日以上の間隔を置いて接種する必要があります(2022年度) 。
インフルエンザワクチンは、2回目との標準的接種間隔は4週間です。
年末やお急ぎの場合は、2週間あければ2回目を接種できます。
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